粗大ゴミを掲載
環境NGO(非政府組織)の「緑のサヘル」は、アフリカのチャドとブルキナファソの両国で植林など゛の運動を行っています。
これまでみてきた環境破壊とは少し性格が異なりますが、大量生産と大量消費に伴って、各国とも廃棄物が急増しており、その処分が深刻な問題になっています。
日本のように、経済規模に比べて国土面積の狭い国では、増え続ける廃棄物の処理は、緊急の解決課題になっています。
廃棄物は、最終的には、埋め立て処理をすることになります。
これまでは、ごみを減量するため、中間処理として焼却をしてきましたが、最近では、その過程で大量のダイオキシンが発生し、健康への脅威になっており、簡単に焼却処理ができなくなっています。
日本の場合、一年間に排出される産業廃棄物が約四億トン、一般廃棄物が五〇〇〇万トンに達しています。
これらを最終的に処分するための処分場は極端に不足しており、産業廃棄物の場合、最終処分場の残余年数は全国平均(九九年現在)で二・六年、東京を中心とする首都圏では、〇・八年という危機的状況にあります。
一方、地方自治体が責任を負う一般廃棄物の場合は、もう少し余裕がありますが、全国平均の残余年数は、コ丁三年といった状態です。
4世界経済と環境問題二〇世紀は、自由貿易とそれを支える通貨制度の安定に各国の関心が集まった時代ですが、二一世紀は、それらに加え、環境と資源制約をどのように世界経済に組み込んでいくかが重要な課題になっています。
特にソ連・東欧の社会主義体制が崩壊し、市場経済が急速に拡大した一九九〇年前後を境に、IT革命の急速な進行も加わって、経済のグローバル化か大幅に進みました。
それと歩調を合わせるように、前節でみた通り、オゾン層の破壊、酸性雨被害など、国境を越えた環境破壊が同時に頻発するようになりました。
次章以下であらためて触れますが、六〇年代の公害は地域が限定され、加害者と被害者との関係も特定できるものがほとんどでした。
それに対し、現在進行中の環境破壊は汚染地域が国境を越え、広範になっています。
被害者と加害者の関係も複雑です。
多くの場合、被害者が同時に加害者であったりします。
たとえば、冷蔵庫の冷媒に使われるフロンは、私たちの食生活を豊かにしてくれますが、一方でオゾン層を破壊し、皮膚ガンや白内障の原因になります。
この場合、皮膚ガンに冒された人は、被害者であると同時に、冷蔵庫の利用者という側面では、加害者でもあるわけです。
このように、今日の環境問題は地球的な広がりを持っているため、国連が中心になって環境保全のための国際的な枠組みづくりをしてきました。
たとえば、九二年にブラジルのリオデジャネイロで開かれた「地球サミット」の正式な名称は、「環境と開発に関する国連会議」(UNCED)です。
地球サミットには10二力国の元首・首脳が出席し、一七八の国と地域が参加しました。
「持続可能な開発」(SustainableDevelopment)のためのリオ宣言を採択し、それを具体的に実行していくために定めた計画「アジェンダ21」は、各国・各地域の重要な環境指針になっています。
九七年コー月に京都で開かれた地球温暖化防止のための国際会議も、正式名は、「気候変動に関する国連枠組み条約第三回締約国会議」という長たらしい名称になっています。
COP3では、温室効果ガスの削減のために京都議定書を採択しました。
京都議定書には、温室効果ガスの具体的な削減方法として、排出量の多い日・米・EUについては、一九九〇年を基準年にして、二〇〇八年から二〇コー年までの間に、それぞれ六%、七%、八%削減することが定められています。
先進国全体では、五・二%の削減になります。
また目標値達成の補助的手段(京都メカニズム)として、排出権取引、共同実施、クリーン開発メカニズムを採用、さらに森林の二酸化炭素吸収効果を考慮することが認められています。
京都議定書は、先進国(付属書TI締約国)の合計の二酸化炭素排出量(九〇年基準)のうち五五%以上を占める国が参加し、かつ五五力国以上が批准したのち、九〇日後に発効することになっています。
倒京都議定書、二〇〇二年発効へ京都議定書は、地球サミット開催後一〇周年に当たる二〇〇二年の発効を目指してきました。
ところが、二〇〇一年三月、アメリカのブッシュ大統領が、自国経済に打撃を与えること、中国やインドなど途上国が排出量削減目標を設定していないことなどを理由に、京都議定書からの離脱を表明しました。
明らかなように、アメリカは九〇年時点で、先進国全体の二酸化炭素排出量の三六・一%を占め、最大の排出国になっています。
アメリカが離脱すれば、京都議定書の効果はかなり低減してしまいます。
そのためEUは懸命にアメリカを説得しましたが、うまくいきませんでした。
対米外交を最優先してきた日本政府は、アメリカの加わらない議定書の批准に消極的で、「アメリカの説得が条件」などとして、当初京都議定書の発効について態度を鮮明にしませんでした。
一方、予定通り京都議定書を発効させたいEUは、アメリカの説得を諦め、アメリカ抜きの発効に姿勢を転換してきました。
ブッシュ大統領が離脱を表明した三月末の段階で、EU(排出比率二四・二%)およびロシア(同一七・四%)、EU以外のヨーロッパ諸国(同七・八%)はアメリカ抜きで発効させることで意見が一致していましたが、排出総量は合わせて四九・四%で、五五%には達しません。
そこで、日本(同八・五%)が加わるかどうかが大きな問題になりました。
二〇〇一年七月にドイツのボンで開かれたCOP6(気候変動枠組み条約第六回締約国会議)再開会合では、日本の去就が最大の焦点になりました。
この時点で、オーストラリア(排出比率二・一%)はアメリカ側の立場をとりましたが、カナダ(回二こ二%)が苦悩の選択の結果、アメリカ抜きの批准に回りました。
それでもまだ五五%には足りません。
結局最終場面で、日本はEU側か提示した「森林吸収枠の拡大」を受け入れ、アメリカ抜きの発効やむなしの姿勢に踏み切りました。
このような過程を経て、同年一一月、モロッコのマラケシュで開かれたCOP7(第七回締約国会議)は、議定書の運用ルールの細則で最終合意しました。
この結果、アメリカを除く各国は、二〇〇二年発効を目指して批准作業に入ることになりました。
政府は、COP7の合意を受けて、京都議定書の発効を目指し、二〇〇二年春の通常国会で京都議定書締結の承認(批准)を得る方針です。
そのためには、締結の承認に必要な国内制度の整備を急ぐ必要があります。
日本政府は、九七年の京都議定書の採択を受け、九八年六月に「地球温暖化対策推進大綱」を閣議決定しました。
同大綱は、二酸化炭素排出量六%削減目標の達成にあたって、森林による吸収量を三・七%程度と見込み、残りの二・三%分の削減については、京都メカニズムの活用を通して実現することを想定していました。
しかし、具体的にどのような手段でどの程度削減するかといった細部の検討はしてこなかったため、温室効果ガスはその後も増え続け、九九年度の二酸化炭素排出量は、基準の九〇年度と比べ、九%増に達しています。
このままの状態では、二〇〇八年頃には同一〇%以上の増加になっているかもしれません。
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